令和5年4月相続法改正の概要について

令和5年4月1日に民法の一部改正法が施行され、財産管理事件に関するやや大きな改正がありました。以下、主な改正内容について見ておきたいと思います。

1 相続財産の管理人の名称変更について

(1)変更点

相続財産「管理人」の名称が相続財産「清算人」に名称が変更されました(改正後民法952条1項)。

(2)趣旨

本改正により、相続人のあることが明らかでない場合も含めて相続財 産の清算を目的としない相続財産管理人の選任が可能となりました (改正後民法897条の2) が、このように目的の異なる職務を有する者を同じ名称で呼ぶことは適当でないため、区別の観点から、民法952条1項の規定に基づき選任される 「相続財産の管理人」の名称を「相続財産の清算人」と改めることになりました。

2 相続人不存在の相続財産の清算手続における公告手続の見直しについて

(1)変更点

これまでは、相続人不存在の相続財産の清算手続における公告手続と ①家庭裁判所による相続財産管理人選任の公告、 ②相続財産管理人による相続債権者及び受遺者に対する請求申出の公告、 ③家庭裁判所による相続人の捜索の公告計3回の公告が手続上予定されていました。今回の法改正により、 ①と③をまとめて清算人選任時に6か月以上の公告を行うこととし (改正後952条2項)、②の公告をその期間内に満了するよう行うこととしました (改正後 民法957条1項)。これに伴い、家庭裁判所が選任時に行う公告の期間内に相続人としての権利を主張する者がないときは、 相続人並びに清算人に知れなかった相続債権者及び受遺者は、その権利を行使することができなくなります (改正後民法958条)。また、 特別縁故者に対する相続財産の分与の請求はこの期間の満了後3か月以内にしなければならなくなり、特別縁故者にとっては権利主張のタイムリミットがよりタイトになりました(改正後民法958条 の2第2項)。

(2)趣旨

前述のとおりこれまでは公告手続を計3回行う必要があり、この間権利関係の確定に合計10か月以上の期間を要するため、必要以上に手続に時間が掛かって重くなっており、この間に掛かる相続財産の管理費用も必要以上に高くなっているとの指摘がありました。 そこで、 公告手続を併行して行うことで手続の期間の短縮を図ることにしました。

3 不在者財産管理制度における供託等について

(1)変更点

不在者財産管理人は、不在者の財産の管理、処分その他の事由により金銭が生じたときは、不在者のために、当該金銭を不在者の財産の管理に関する処分を命じた裁判所の所在地を管轄する家庭裁判所の管轄区域内の供託所に供託することができるようになります(改正後家事事件手続法146条の2) 。不在者財産管理人は、この供託をしたときは、法務省令で定めるところにより、その旨その他法務省令で定める事項を公告しなければなりません(改正後家事事件手続法146条の2第2項)。
こうして不在者財産管理人が管理すべき財産の全てが供託され、管理すべき財産がなくなったときは、家庭裁判所が不在者財産管理人選任審判を取り消すこととなります(改正後家事事件手続法147条)。

(2)趣旨

これまでは、相続財産管理人の管理対象財産として現金や預貯金債権のみ が残っている場合には「財産の管理を継続することが相当でなくなったとき」 に該当するといえるか必ずしもはっきりとしないため、こうした財産が存在する限り管理を継続している事案が存在していました。しかし、このような事案でも不在者の財産の管理を継続するしかないとすると不在者財産管理人の業務負担の増加を招くこととなるほか、不在者財産管理人の管理費用や報酬が増加し、不在者の利益にむしろ反する結果となってしまう可能性があります。そこで、不在者の利益を図りつつ管理事務の適正化を図るため、不在者財産管理人は、 管理している金銭を供託することができることとし、この供託がされた場合には、「財産の管理を継続することが相当でなくなったとき」に該当し、選任処分の取消しの審判がなされることとなりました。

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