配偶者のDVに耐えかね単身別居。子どもの引渡しは認められるか

配偶者のDVに耐えかねてお子様を配偶者の監護の下に残したまま別居に踏み切った場合でも、別居親が子の引渡しや監護者としての指定を受けることができるでしょうか。今回はこれを肯定した弊事務所での経験事例をご紹介としたいと思います。

事案の概要

母Xと父Yは婚姻8年目で二人のお子様方あり(長女5歳、二女3歳。以下「子ら」)。母Xは専業主婦、父YはIT関係の自営業者です。
母Xは父Yから日常的に暴言、家の中の物を壊す、生活費を渡されないなどのDVを受けていました。
ある日、夜遅く泥酔して帰宅した父Yと母Xが夫Yの生活態度をめぐって口論となり、父Yが激高して部屋の中にあった妻の思い出の品をゴミ箱に放り込むなどしたことから、母Xは家を出て単身別居を開始しました。
母Xには頼れる親族(監護補助者)がいなかったものの公的機関と相談しながらなんとか自宅の賃貸アパートを確保。収入はパートに就いて一応確保しました。この別居開始から約3か月後、子らの引渡しの審判及び保全処分を小職に依頼されました。
一方、父Yにも監護補助者がいませんでした。
後の家庭裁判所調査官による子らの通う幼稚園の教諭らに対する調査結果で明らかになったことですが、母Xの別居開始後、子らの保育園での忘れ物が増えたり、洋服やスモックが汚れたままで十分洗濯されてないように見えることがあったということです。
家庭裁判所で行われた試行的面会交流(家庭裁判所調査官も様子を観察)では長女二女ともに父Yに対してはややよそよそしい態度を取っていたのに対し、母Xには双方ともよくなついて一緒に遊び、別れ際には「ママと離れるのイヤ!」などと涙を流す場面も見られました。

母Xと父Yそれぞれの主張

母X(当方)は、別居開始まではあくまで母Xが監護親であったこと、試行的面会交流でも明らかになった通り子らとの情緒的交流は母Xの方がより緊密であること、父Yの暴力的な行為の存在などを強調しました。
一方父Y(相手方)は、監護環境の継続の必要性を強調しました。

裁判所の判断

まず、裁判所は父Yの監護状況につき、幼稚園での調査結果から、子らの忘れ物が増えたり洋服等に汚れが目立つようになったなど別居開始後監護状況の悪化が見られると認定しました。
また、別居開始前の主たる監護者は母Xであったことに疑いはなく、試行的面会交流での調査官の調査結果からも子らとの情緒的交流は母Xの方がより緊密であると認定しました。
結局、裁判所は、監護環境の継続性を断つことによる子らの精神的負担を考慮しても、母Xを子らの監護者と定めて母Xのもとで養育させるのが子らの福祉に適うものと認定し、無事子らの母Xへの引渡しと母Xの監護者指定を認めました。
その後裁判所の審判は確定し、父Xは子らの任意の引き渡しに応じました。

メモ

本件は、母Xの別居開始から3か月程度で子の引渡しの審判と仮処分を申し立てることができ、幸運なケースでした。
監護の継続性もまた監護権者を決定する上では重要な要素の一つであるため、母Xが父Yに対して子らの引渡しを求めたいと私の事務所のドアを叩くのが遅れていたら、あるいは審判結果が変わっていた可能性もあります。
配偶者にお子様を引き連れて別居された、あるいは配偶者の下にお子様を置いたまま別居に踏み切ってしまったというケースでお子様の引渡しを希望される場合は、弊事務所まで早期のご相談をおすすめいたします。

以上

 

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