コラム相続2 「遺留分」の放棄?

先日、高齢女性で少しお身体を悪くされている佐藤さん(仮名)から「夫とこれまで離婚調停を繰り返してきたが結局別居中の夫が離婚を承諾しないために離婚できず長年別居状態となっている。それでも私が夫より先に亡くなったら、夫に4分の1の遺留分が認められるのか」という趣旨の相談を受けました。佐藤さんは代々受け継いだご自分所有の自宅の土地建物でご長男(子はこのご長男一人)夫婦と同居されていますが、預貯金などはあまりなく、自分が亡くなってしまったら夫と長男との遺産分割で自分の土地建物が売り払われることになったりはしないかと大層心配し、ご長男のことを案じられていたのです。なお、夫は同年代ですが健康体だそうです。

確かに、こちらは強く離婚したいのに相手方配偶者がそれを強く拒んでいる。実際長年の別居状態が続いている。それでも相手方配偶者に遺留分が認められてしまうというのは腑に落ちないことがよく理解できるのですが、それでも遺留分というのは容赦なく相手方配偶者に発生してしまうのが法律なのです。

ではこうした場合、自分が亡くなった際に相手方配偶者に相続をさせないためには、一体どうしたらよいのでしょうか。

幸い佐藤さんの場合、夫が「相続を当てにして離婚に反対しているわけではない。妻の財産は長男に全て相続させてもらって構わない」といっているようでしたので、遺留分放棄の手続を夫に取ってもらえないか、打診するよう佐藤さんに勧めました。

ここで遺留分放棄の注意点を少し見ておきましょう。

(1)家庭裁判所の事前の許可が必要

遺留分放棄は家庭裁判所に申立をし、その事前の許可が必要になります。相続人の最低限の権利を保護するという遺留分の趣旨から、このように厳格な要件が定められました。

申立権者は、遺留分を放棄する者ですから、本件では佐藤さんの夫になります。

(2)あくまで遺留分の放棄であって、相続分の放棄ではない。

どういうことかといいますと、本件で佐藤さんが夫に遺産を相続させないようにするためには、((1)の要件を満たすことに加えて)夫に相続をさせない内容の有効な遺言が必要不可欠になるということです。そもそも遺言がなかったり、せっかくの遺言が無効になってしまえば、遺留分うんぬんの問題ではなく夫に通常どおりの相続分(本件では2分の1)が認められてしまうことになります。

このように、遺留分の放棄が絡む場合、遺言書の内容と保管が非常に重要になってきますので、通常は公証役場にて公正証書遺言を作成することをお勧めしております。このように遺留分の放棄や公正証書遺言の作成をお考えの際も、是非当事務所まで一度ご相談いただければと思います。

 

コラム:相続・遺言

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