子の引渡しの強制執行に関する民事執行法の改正について(2回/全2回)

令和元年の民事執行法の改正(以下「本改正」と表記しております)に伴い、子の引渡し(解散実施行為)に関する各種の規定も改正されました。ここではその重要なポイントについて前回に引き続き解説させて頂きたいと思います。

直接強制を実行できる場所は?

直接強制を実行できる場所は基本的に債務者の住居等債務者の占有する場所となります。

ただし、その他の場所であっても、執行官が子の心身に及ぼす影響、当該場所及びその周囲の状況その他の事情を考慮して相当と認めるときは、その場所の占有者の同意または占有者の同意に代わる執行裁判所の許可を受けて直接強制を実施することができます。

同時存在の原則の廃止

これまでの民事執行法には子の引渡しの直接強制にあたって同時存在の原則というものがありました。これは、子の引渡しの強制執行の現場には債務者が立ち会っていなければならないという原則です。これは、引渡しの現場に債務者がいないことで子の心身に悪影響を及ぼすことを危惧したものでした。

しかし、こうした同時存在の原則を逆手に取り、執行官が子の引渡しの強制執行に現れると子をその場に置いたまま立ち去ってしまい、執行官に直接強制の実施を断念させるという「妨害工作」を行う債務者が実際後を絶たず、同時存在の原則の廃止を求める声が実務上高まっていました。

そこで、本改正ではこの同時存在の原則が廃止され、子の不引渡の直接強制の現場に債務者が立ち会うことは必須でなくなりました。

ですので今後上記のような「妨害工作」では子の引渡しの強制執行を妨げることはできなくなりました。

債権者の出頭が必要になった

かわって本改正では子の引渡しの強制執行の実施に際しては、債権者の執行現場への出頭が必要とされました。債務者の立会いが不要となった分、債権者の現場への立会いを必須とすることで、引渡しが子の心身に与える影響を最低限度に留めようという趣旨です。

なお、執行裁判所は、債権者が執行現場に出頭できない場合であっても、その代理人が債権者に代わって現場に出頭することが、当該代理人と子との関係、当該代理人の知識及び経験その他の事情に照らして相当と認めるときは、債権者の申立てにとり、当該代理人が現場に出頭してきた場合でも債務者による子の監護を解くために必要な措置をとることができる旨の決定をすることができます。ここでの代理人には、弁護士などよりも債権者の親(子の祖父母)や親しい親類が想定されています。

弊事務所ではこれまで子の引渡しに関する事件の取扱い事例も豊富にございます。

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