事例紹介~夫と養父母との養親子関係が破綻したことにより、夫婦間の婚姻関係も破綻していると認定された事例

夫が妻の家の家業を継ぐという条件で妻と結婚するとともに、妻の両親と養子縁組を結んだものの、夫と養父母との養親子関係が破綻したことにより、夫婦間の婚姻関係も破綻しているとして妻からの離婚請求が認容された事例をご紹介します。

事案の概要

夫と妻は、平成16年に結婚しました。当時夫、妻ともに会社員でした。妻の家は代々地元で八百屋を営んでおり、夫は将来この八百屋業を継ぐという前提で妻と結婚し、妻の両親とも同時に養子縁組しました。その後、夫婦に2人の子どもが生まれました。

結婚当初こそ夫婦間及び夫と養父母との関係は良好でしたが、平成18年、お互いに酒に酔った勢いで夫と養父が口論となり、養父が夫の顔を殴ってしまうという事件が発生したことを契機に急速に夫婦間及び夫と養父母との関係が冷めてゆきました。

これにより、その後平成21年に養父が大きく体調を崩してしまったために当初の約束通り夫に対して八百屋を手伝ってくれるよう求めたにも関わらず、夫は八百屋の仕事は興味が感じられないとして一向に八百屋の手伝いには応じず、平成23年には八百屋の手伝いもしないのに他に転職するという意趣返しのような行動に出たりもしました。

妻もまた夫に八百屋を手伝ってくれるよう依頼しましたが、夫はやはり手伝おうとせず、妻が語気を強めると夫は妻に対して暴力を振るうこともありました。

ついに夫婦は家庭内別居の状態に陥り、平成25年、妻は夫に対して離婚を求めて夫婦関係調整調停を申し立てました。小職は妻の手続代理人として受任しました。

こちらはお互いの希望する離婚条件が合致せず調停不成立に終わりましたので、その後妻が夫を相手取り離婚等請求訴訟を提起しました。小職が妻の訴訟代理人としてこれを受任しました。これに対し、夫も妻に対して離婚等を請求して反訴提起しました。

判決は、夫による妻に対する暴力行為は証拠も不十分であり十分な離婚原因と認めることはできないとしながらも、夫は当初家業の八百屋を将来継ぐという約束のもと妻と結婚して養父母と養子縁組したものであるところ、夫にはもはやその意思は全くなく、夫と養父母との養親子関係が破綻してしまったことにより、夫婦間の婚姻関係も破綻していると認定して当方からの離婚請求を認容しました。一方、養父からの暴力行為などを原因とした夫からの離婚請求は証拠不十分であるとしてこれを棄却しました。

メモ

夫による暴力行為などの証拠は不十分でありこれによる妻からの離婚請求は認められなかったものの、夫と養父母との養親子関係が破綻したことにより、夫婦間の婚姻関係も破綻しているとして妻からの離婚請求が認容された事例です。義父母との養子縁組のからむ結婚・離婚のケースでは参考になると思われます。

離婚や男女関係に関するトラブルにつきましては、弊事務所まで早期のご相談をおすすめいたします。

以上

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